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慶應義塾大学 英語の学習アドバイス

河合塾講師による慶應義塾大学 英語の「2018年度入試問題分析」と「学習アドバイス」を掲載しています。

慶應義塾大学 英語

文学部 英語

2014年度に大問1題の構成に戻ってからは、出題形式に変化はない。英文量は2016年度に1,400語程度と大幅に減少したが、2017年度は2,200語を超え、2018年度は例年並みの2,000語程度であった。

設問は例年同様、「英文和訳・内容説明・和文英訳」といった文学部の定番といえるものが中心をなしている。辞書の使用が許可されているとはいえ、語彙レベルが高いので、これを読みこなすには、単なる知識だけではなく、論理的な思考力と論旨を正確に読み取る力が要求される。ただし、下線部和訳の対象になっている箇所は構文上のポイントが明確であるし、和文英訳も本文中の表現を利用して書くことができるので、合否の決め手は内容説明となるだろう。

過去問で出題傾向を熟知する

文学部の出題には一貫したポリシーがあり、設問形式に関しては独自のスタイルが定着しているので、過去問を数多くこなして、設問の狙いやレベルを把握し、設問ごとの時間配分といったものに留意することがまずは必要となる。

大局的に読み通す力が試される

入試では珍しく辞書の使用が認められているが、闇雲に未知の単語を引きまくるのは時間の無駄だ。どの単語を辞書で引くべきであるかは、全体の流れを把握したうえで決まってくる。個々の単語や一文一文にとらわれることなく、大局的に長文を読み通す力が試されているので、日頃からそのような読み方に習熟しておくことが必要である。

記述対策は万全に

下線部和訳や和文英訳は、設問のレベルそのものは標準的なものであるが、文脈を正確につかんだうえで、訳語などを決定する必要があるので決して侮ってはいけない。また、100〜120字の内容説明問題では、制限字数内でどこまで具体的に、しかも過不足なくまとめることができるかがポイントとなる。英文の該当箇所に比べて、日本文の制限字数が少なめであることが多いので、鍵となる表現を中心に、要点のみを簡潔かつ明瞭にまとめる工夫が必要となる。

医学部 英語

2018年度は、大問として独立していた自由英作文が読解総合に組み込まれたため、読解総合3題という構成に変わった。2012年度には和文英訳の代わりに語句整序が出題されたが、2013年度からは長文中の一部を日本語にしてそれを英訳させる形式が続いている。

2018年度の自由英作文は長文の内容に関連したもので、「他者と過ごす時間」について100語程度で表現するものであった。長文の総語数は1,300語程度に減少したが、解答の記述量が増えたことで、全体的な難易度に変化は見られない。英文の語彙レベルが高く、内容も高度なので、正確に論旨を追いながら読み進めていく訓練が必要である。

過去問で出題傾向を熟知する

出題形式に多少の変更はあるが、記述式問題を中心にした国公立大学型の設問が多いほか、独自のスタイルの設問も含まれるので、まずは過去問を通して、設問の狙いやレベル、時間配分といった受験のノウハウを身につけることが何よりも大切である。

高度な語彙力に基づく正確で緻密な読解力を養成する

例年受験レベルを超えた語彙が半ば意識的に試されている。英文は医学・科学系の論文や時事問題を中心に社会的に関心の高いテーマを扱ったものが多く、高度な語彙力に裏づけされた正確で緻密な読解力を養成することが不可欠で、インターネットなどで英文の新聞や雑誌の記事を数多く読みこなし、論理的な読み方に習熟しておくことが必要である。

柔軟な言語運用能力が試されている

和訳・英訳や内容説明は、いずれも語彙や構文など難解なものを含んでおり、文脈を正確につかんだうえで、訳語などを決定する必要があり、過去問対策は必須である。和文英訳では、問題文の趣旨を的確に理解し、英語として自然な表現になるように工夫する必要がある(本文中の表現が参考になるケースもある)。自由英作文については、状況を説明するものや自分の意見を主張するものなど、様々なテーマを設定して100語程度の英文に的確にまとめる訓練を十分に積んでおく必要がある。

看護医療学部 英語

2014年度から「文法・語法」「中文での空所補充」「文補充」「段落整序」「総合問題(内容説明や下線部和訳といった記述式の設問を含む)」「自由英作文」が出題されてきたが、2018年度は「段落整序」に代わって「記述式の語彙問題」(2文字目・3文字目と品詞と訳語が与えられた英単語の1文字目を答える単語テストに近いものが20問)が出題された。

自由英作文は、2007年度までは英文を読んでそのテーマについて自分の意見を書く形式だったが、2008年度からは与えられたテーマについて自分の意見を100〜150語で書く形式が続いており、2018年度のテーマは「高齢者が受験生世代から何を学べるか」であった。

確実な文法力と正確な語彙運用力

2010年度までは文法・語法問題(「適語選択」と「正誤判定」)が数多く出題されていたのが特徴だったが、2014年度からは空所補充型の「適語選択」が20問出題されており、時制や態など動詞に関連したものが多いのが特徴といえる。また、読解問題として分類しているものの、中文での空所補充や文補充では、文法・語法や語彙に関する知識が求められているので、確実な文法力と正確な語彙運用力を身につけておくことが大切である。

確かな構文把握力と日本語表現力

読解総合問題では下線部和訳や内容説明といった記述式の設問が出題されるので、速読・多読の練習はもとより、正確な構文把握と的確な日本語表現力を磨く練習が必要である。特に和訳については、自然な日本語で文脈に即した訳出ができるようにしておくことが大切である。

自分の意見を平易な英語で表現する力

ある決められたテーマについて自分の意見を限られた時間内に答案としてまとめるには、日頃から様々なことに対して問題意識を持ち、自分の意見を簡潔にまとめた英文を書く練習が欠かせない。その際、できるだけ平易な構文で自分の言いたい内容が明確に伝わる文章となるように、基本の確立に徹底して力を注ぐことが大切である。

法学部 英語

2017年度から発音問題が出題されて大問5題の構成になっているが、読解総合2題を中心に、文法・語法(正誤判定)、会話文といった出題内容に変更はない。解答形式はすべてマークシート方式で、設問すべてが英文であることに変化はない。読解総合2題のワード数は1,200語程度で、分量的には標準レベルといえるが、正解の判定に悩まされる設問や選択肢も含まれているので、細部にまで注意を払いながら解いていく必要がある。

長文の英文量は標準的だが、選択肢がすべて英文であることを考えるとかなりの速読力が要求される。パラグラフごとに内容を問う設問を中心に構成されているので、過去問を通して出題の意図や内容を理解しつつ、そこに焦点を合わせて英文の内容を的確に把握する訓練を積み、効率のよい解き方に習熟しておく必要がある。環境や社会問題を扱った時事問題が出題されることが多いので、新聞や雑誌の記事などで、その種のテーマのものを読み慣れておくとよいだろう。

会話文問題では、会話特有の表現を知っておくだけでなく、文脈や文の形に注目して選択肢を絞り込む手順に慣れておくことも大切である。

経済学部 英語

2013年度に読解問題が4題に増えたが、2014年度は2題に戻り、2015年度からは3題(うち2題は「賛成」「反対」の見解を述べたもの)が出題されている。英作文2題は変化なし。解答形式は英作文のみ記述式。英作文は2012年度以降、くだけた口調の対話での和文英訳が出題されている。自由英作文は、長文問題の内容に関連するテーマについて、自らの考えを150語程度で論じるもので、かなりの難問である。

読解総合のワード数は合計で2,300〜2,500語程度と多く、速読力の養成は不可欠である。英文自体の難度は決して高くはないものの、設問の選択肢も含めると相当な量の英文を読むことになるので、迅速かつ正確に内容を理解する力が要求される。英文は社会問題を扱った論文や時事的な記事が出題されることが多いので、この種の英文を新聞や雑誌などで読み慣れておく必要がある。

対話形式での和文英訳では、文脈に応じた適切な英語表現に置き換える柔軟性が必要である。自由英作文では、読解問題で言及されている見解や事柄を引用しながら自分の意見をまとめ、平易な英文で的確に言いたいことを表現する練習を積むことが大切である。

商学部 英語

2017年度に引き続き、「英文の要旨選択問題」は出題されず、大問7題の構成に変化はなく、長文読解3題を中心に、文法・語法(空所補充)、語彙といった出題内容にも変更はない。解答形式はマークシート方式がほとんどだが、語形変化を伴う記述式の空所補充問題が例年出題されている。大問数は多いものの、難易度は標準レベルで、英文も読みやすいものが多く、妥当な分量といえる。

長文は3題とも内容一致型の設問が中心で、総じて英文は読みやすく、基本的な読解力を習得しておけば十分に対応できるレベルである。それゆえ、不注意なミスが命取りとなってしまうわけで、本文と選択肢を照らし合わせながら読み進めていくといった緻密な読み方の訓練は必要である。
読解問題が中心ではあるものの、文法・語法問題も数多く出題されるので、過去問や問題集などを通じて、基本事項に関する知識(特に動詞の語法問題は頻出)を確実に習得しておく必要がある。また、商学部独自の問題である記述式の語彙問題では、動詞の活用や派生語など正確に覚えて、単語を正しくつづれるようにしておくことも大切である。

理工学部 英語

2018年度は大問数が6題から4題に減少し、読解総合2題を中心に、会話文と文法・語法が出題された。解答形式は、大問3の英文での内容説明(新傾向)と大問4の空所補充 (補うべき語の頭文字が与えられている)以外はマークシート方式。文法・語法では、正確な文法力や豊富な語彙力要求される。日本文の内容に合うように単語を補う問題で、思い浮かびにくい語が問われることもあり、名詞の単複や動詞の語形などに気をつける必要もある。

長文2題のワード数は合計で1,100語程度と妥当な分量ではあるものの、設問形式が空所補充や同意語句選択のほかに、内容一致型の設問など多岐にわたっており、迅速かつ正確に論旨を把握する力を養成する必要がある。設問の語彙レベルが高く、選択肢も紛らわしい場合があるので、過去問を通して出題者の狙いがどこにあるのかをある程度つかんでおくことも大切である。
文法・語法では、イディオムを含めて基本となる語彙を確実にマスターしておくだけでなく、記述式設問の対策として、語形変化や派生語などでケアレスミスのないように単語は正しくつづれるようにしておく必要がある。

総合政策学部・環境情報学部 英語

両学部とも長文2題という形式が長年続いていたが、2016年度から長文3題の構成に変わった。ただし、全体で「空所補充40問」と「内容一致20問」という設問の形式や数は同じで、英文の総語数にも大きな変化はない。60問すべてが客観式の設問であるが、選択肢を含めると英文量が非常に多いうえに難度も高いので、120分の試験時間とはいえ、効率よく解いていかないと時間切れになる恐れがある。そうした意味でも、設問の狙いや語彙レベルに習熟するのに過去問対策は欠かせない。

語彙レベルの高さに圧倒されないこと

2018年度の英文のテーマは、総合政策学部が「減速バンプ設置の可否」「気候変動問題」「スプリンターネット」、環境情報学部が「脳への刺激と攻撃性との関連」「なりすまし詐欺の手口」「哲学と流行との関係」であった。最新の人文科学や自然科学の話題を扱った抽象度の高い論説文や記事が出題されており、高度な語彙力に裏づけされた正確で緻密な読解力を養成することが不可欠である。設問形式は定着しているので、過去問を中心にこのレベルの英文を数多く読みこなし、語彙力の増強に努めることが大切である。一般常識や背景知識の豊かさも大きな武器となるので、日頃から社会情勢や時事問題に関心を持ち、新聞や雑誌の記事を読み慣れておくことが望ましい。

迅速かつ的確な処理と判断が求められる

両学部とも3題合わせて2,400語程度の英文を読むだけでなく、内容一致の選択肢もすべて英語で書かれていることを考えると、何度も読み返すだけの時間的余裕はないだろう。したがって、本文を読みながら同時に空所を埋めていき、段落ごとに内容一致問題を解いていくのが効率的な進め方といえる。空所補充問題には平易なものも含まれているので、素早く判断して時間をかけすぎないこと。配点からいっても内容一致問題の出来が合否を左右すると思われるので、本文の内容と選択肢とを丁寧に読み比べていけるような時間配分に留意する必要がある。

薬学部 英語

年度によって大問構成や設問形式が変化することが多かったが、2015年度からは記述式の設問がなくなり、4年連続してすべての設問が客観式になっている(設問の総数は2015・2016年度が43で、2017・2018年度が41)。長文読解3題という大問構成に変化はないものの、英文3題のワード数は概算で、2015年度から順に、2,300→3,100→2,650→2,800となっている。英文量はかなり多く、そのうえ選択肢もすべて英文であることを考えるとかなりの速読力が要求される。
大問3題とも、同義語選択、空所補充、指示対象選択、内容一致・不一致などが出題されている。同義語選択では、文脈が正確に把握できているかどうかが試されており、設問の対象となっている語(句)や選択肢として与えられている語(句)のなかにはやや難度の高いものもある。内容一致には、「本文に述べられていないもの」を選ぶ設問もある。

自然科学系のテーマを扱った英文が多い

過去の出題形式に共通していえるのは、標準以上の読解力と語彙力が要求される設問が多いということである。2008年度は発明家の伝記を素材にした1,000語を超える長文、2010年度は動物の威嚇行動について論じた900語弱の長文、そして2011年度以降は頻出テーマである動物行動学に加えて、心理学や医学、テクノロジーに関するものなど、自然科学系の英文が多く出題されているので、日頃から難度の高めなものも織り交ぜ、数多くの英文を読みながら語彙力を充実させる必要がある。

過去問で設問形式に習熟する必要がある

出題傾向が変わった2015年度から設問の指示がすべて英文になっているので、設問の形式や出題の狙いなどにも習熟しておく必要がある。同義語選択のほかに、文の趣旨を選ぶ問題(従来の下線部和訳に相当するといえる)や「推測できる内容」を選ぶ問題、タイトル選択などが出題されているので、語彙力の拡充に加えて、英文の内容を整理しながら読み進めていくといった的確な文脈把握力を養成することが必要となる。

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