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慶應義塾大学 英語の学習アドバイス

河合塾講師による慶應義塾大学 英語の「2021年度入試問題分析」と「学習アドバイス」を掲載しています。

慶應義塾大学 英語

文学部 英語

2014年度以降、大問1題という出題形式が続いている。英文量は2016年度に1,400語程度と大幅に減少したが、2017年度は2,200語を超え、2018年度は2,000語程度、2019年度以降は1,900語程度で推移している。設問は、「英文和訳・内容説明・和文英訳」といった文学部の定番といえるものが中心をなしている。英文量が多く語彙(ごい)レベルも高いので、これを読みこなすには単なる知識だけではなく、論理的な思考力と論旨を正確に読み取る力が要求される。ただし、下線部和訳の対象になっている箇所は構文上のポイントが明確であるし、和文英訳も本文中の表現を利用して書くことができるので、決め手となるのは内容説明で、2021年度は3問(いずれも字数制限あり)出題されている。

過去問で出題傾向を熟知する

文学部の出題には一貫したポリシーがあり、設問形式に関しては独自のスタイルが定着しているので、過去問を数多くこなして、設問の狙いやレベルを把握し、設問ごとの時間配分といったものに留意する必要がある。

大局的に読み通す力が試される

入試では珍しく辞書の使用が認められているが、闇雲に未知の単語を引きまくるのは時間の無駄だ。どの単語を辞書で引くべきであるかは、全体の流れを把握したうえで決まってくる。個々の単語や一文一文にとらわれることなく、大局的に長文を読み通す力が試されているので、日頃からそのような読み方に習熟しておくことが必要である。

記述対策は万全に

下線部和訳や和文英訳は、設問のレベルそのものは標準的なものの、文脈を正確につかんだうえで、訳語などを決定する必要があるので決して侮ってはいけない。また、100~120字の内容説明問題では、制限字数内でどこまで具体的に、しかも過不足なくまとめることができるかがポイントとなる。英文の該当箇所に比べて、日本文の制限字数が少なめである場合もあるので、鍵となる表現を中心に、要点のみを簡潔かつ明瞭にまとめる工夫が必要となる。

医学部 英語

2018年度は大問3題という構成になったが、2019年度からは従来の大問4題(読解総合3題と自由英作文)に戻っている。長文の総語数は、2018年度の1,300語程度に対して、2019年度は1,700語程度、2020年度は2,000語程度、2021年度は2,100語程度と増加してきている。自由英作文は、2018年度は長文の内容に関連したものであったが、2019年度からは大問として独立したかたちで、「公共の場でのマナーの悪い事例」(2019年度)、「機械と医師、テクノロジーと医療」(2020年度)、「在宅勤務に向かう流れ」(2021年度)について、それぞれ100語程度で表現するものであった。英作文ではほかに、長文中の一部を日本語にしてそれを英訳させるものが出題されている。

過去問で出題傾向を熟知する

出題形式に多少の変更はあるが、記述式問題を中心にした国公立大型の設問が多いほか、医学部独自のスタイルの設問も含まれるので、まずは過去問を通して、設問の狙いやレベル、時間配分といった受験のノウハウを身につけることが何よりも大切である。

高度な語彙(ごい)力に基づく正確で緻密な読解力を養成する

例年受験レベルを超えた語彙が半ば意識的に試されている。英文は医学・科学系の論文や時事問題を中心に社会的に関心の高いテーマを扱ったものが多く、高度な語彙力に裏づけされた正確で緻密な読解力を養成することが不可欠で、インターネットなどを利用して英文の新聞や雑誌の記事を数多く読みこなし、論理的な読み方に習熟しておくことが必要である。

柔軟な言語運用能力が試されている

和訳・英訳や内容説明は、いずれも語彙や構文など難解なものを含んでおり、文脈を正確につかんだうえで訳語などを決定する必要がある。和文英訳では、問題文の趣旨を的確に理解し、英語として自然な表現になるように工夫する必要がある。自由英作文については、状況を説明するものや自分の意見を主張するものなど、様々なテーマを設定して100語程度の英文に的確にまとめる訓練を十分に積んでおくこと。

看護医療学部 英語

2014年度から「文法・語法」「中文での空所補充」「文補充」「文整序」「段落整序」「読解総合(下線部和訳を含む)」「自由英作文」の大問7題が出題されてきたが、2018年度から「段落整序」に代わって、「記述式の語彙(ごい)問題」(2文字目・3文字目と品詞と訳語が与えられた英単語の1文字目を答えるという「単語テスト」に近いものが20問)が出題されている。2021年度は長年にわたって出題されてきた自由英作文(与えられたテーマについて自分の意見を100~150語で書く形式)が姿を消して、英文中の語句整序が新たに出題された。さらに読解総合も英文中の正誤判定に変わるなど、出題形式の大きな変化に戸惑った受験生も多くいたと思われるが、全体的に見れば取り組みやすくなったといえる。

確実な文法力と正確な語彙運用力を身につける

2010年度までは文法・語法問題(「適語選択」と「正誤判定」)が数多く出題されていたのが特徴だったが、2014年度からは空所補充型の「適語選択」が20問出題されており、時制や態など動詞に関連したものが多いのが特徴といえる。大問Ⅲの文補充(200~250語の英文中に空所が6つあり、4つの文を補充するもの)、および大問Ⅳの文整序(段落内の4つの文の順序を答えるもの)は看護医療学部の定番といえる。読解問題として分類しているものの、文法・語法や語彙に関する知識が求められているので、確実な文法力と正確な語彙運用力を身につけておくことが大切である。

新傾向問題への対策は十分にしておくこと

英文中の正誤判定に変わった大問Ⅵでは、英文中の5つの単語の中に文脈上不適切な語が3つ含まれており、正しい場合にはXを、誤っている場合には、与えられた12の語句から、代わりとなる正しい語を選ぶ形式(文法的にというよりは、内容的に正しいかどうかが解答の決め手になる)。語句整序に変わった大問Ⅶは、整序した英文の一部をマークする形式で、整序する文には和文が与えられている。どちらの大問も長文を素材にすることで、文脈を踏まえた解答作業が前提となるので、十分な対策をしておくこと。

法学部 英語

大問5題に変化はないが、大問Ⅰの設問形式は年度によって大きく異なるのが特徴的(2019年度は見た目が読解総合に近い正誤判定、2020年度は発音および語義に関する問題、2021年度は複合語に関する知識を問うもの)。長文3題のワード数は1,600語程度(2020年度は1,900語程度)で、分量的には少なめに思われるが、正解の判定に悩まされる設問や選択肢も含まれているので、細部にまで注意を払いながら解いていく必要がある。

読解問題では選択肢もすべて英文であることを考えるとかなりの速読力が要求される。パラグラフごとに内容を問うものなど、出題の意図や設問形式に留意しつつ、内容を的確に把握する訓練を積み、効率のよい解き方に習熟しておく必要がある。新傾向の複合語に関する問題は、まずは英語で書かれた設問の指示を正確に理解してから問題に取り組む必要があり、出題の狙いがどこにあるのか確認しておくこと。定番の語義問題(大問Ⅱ)や会話文問題(大問Ⅲ)では、過去問を確認して、設問のレベルだけでなく、品詞の違いや慣用句などに注目して選択肢を絞り込む手順に慣れておくことも大切である。

経済学部 英語

2015年度以降、読解総合は3題(うち2題は関連するテーマのもの)出題されており、英作文2題と合わせて、大問5題の構成が続いている。解答形式は英作文のみ記述式。2012年度以降、英作文ではくだけた口調(会話体)の対話文による和文英訳が出題されている。自由英作文は、長文問題の内容に関連するテーマについて、自らの考えを100~120語程度で論じるもので、かなりの難問である。

長文3題のワード数は合計で2,400語程度と多く、速読力の養成は不可欠である。英文自体の難度はそれほど高くはないものの、設問の選択肢も含めると相当な分量の英文を読むことになるので、迅速かつ正確に内容を理解する力が要求される。英文は社会問題を扱った論文や時事的な記事が出題されることが多いので、この種の英文を新聞や雑誌などで読み慣れておくとよいだろう。対話形式での和文英訳では、文脈に応じた適切な英語表現に置き換える柔軟性が必要である。独自のスタイルで課される自由英作文では、読解問題で言及されている見解や事柄を引用しながら自分の意見をまとめ、平易な英文で的確に言いたいことを表現する練習を積むことが不可欠である。

商学部 英語

2020年度から大問が1題増えて大問8題(長文読解3、中文内容一致1、文法・語法2、語彙(ごい)2)の構成になったが、全体的な分量や難易度に変更はない。解答形式はマークシート方式がほとんどだが、語形変化を伴う記述式の空所補充問題が例年出題されている。大問数は多いものの、難易度は標準レベルで、英文も読みやすいものが多く、分量的にも妥当なものといえる。

長文は3題とも内容一致型の設問が中心で、総じて英文は読みやすく、標準レベルの読解力があれば十分に対応できる。それゆえ、不注意なミスを極力減らすように、本文と選択肢を照らし合わせながら読み進めていくといった緻密な読み方の訓練は必要であり,それによって効率よく解答することができるようになるだろう。読解問題が中心ではあるものの、文法・語法問題も数多く出題されるので、過去問や問題集などを通じて、基本事項に関する知識(特に動詞の語法問題は頻出)を確実に習得しておく必要がある。また、商学部の定番問題である記述式の語彙問題では、動詞の活用や派生語など正確に覚えて、単語を正しくつづれるようにしておくことも大切である。

理工学部 英語

2018年度からは大問が6題から4題に減少し、読解総合2題を中心に、会話文と文法・語法が出題されていたが、2021年度は定番だった「記述式の語彙(ごい)問題」が姿を消して、大問4で「客観式の空所補充問題」が新たに出題された(その結果、解答形式はすべてマークシート方式になった)。さらに大問3の会話文では「内容を要約させる空所補充」という新傾向問題が出題された。長文2題のワード数は1,400語程度(2020年度は1,600語程度)で妥当な分量だといえる。

読解問題では、設問形式が空所補充や同意表現選択のほかに、内容一致型の設問など多岐にわたっており、迅速かつ正確に論旨を把握する力を養成する必要がある。設問の語彙レベルが高く、選択肢も紛らわしい場合があるので、過去問を通して出題者の狙いがどこにあるのかをある程度つかんでおくことも大切である。会話文では、口語表現だけでなく、ことわざのような言い回しや慣用表現も設問の対象となっており、文脈から意味を推測する能力が試されている。出題形式こそ変わったものの、大問4は高度な語彙力を試すことに変わりはないので、日頃から語彙力の拡充に努めるようにしておくこと。

総合政策学部・環境情報学部 英語

両学部とも長文2題という形式が長年続いていたが、2016年度から長文3題の構成に変わった。ただし、全体で「空所補充40問」と「内容一致20問」という設問の形式や数は同じで、英文の総語数にも大きな変化はない。60問すべてが客観式の設問であるが、選択肢を含めると英文量が非常に多いうえに難度も高いので、120分の試験時間とはいえ、効率よく解いていかないと時間切れになる恐れがある。そうした意味でも、設問の狙いや語彙(ごい)レベルに習熟するのに過去問対策は欠かせない。

語彙レベルの高さに圧倒されないこと

2021年度の英文のテーマは、総合政策学部が「返品方針と消費者心理の関係性」「宇宙開発をめぐる利権争い」「現代の指導的地位」、環境情報学部が「ビジネスと教育の認知的不協和」「techlashから企業を守る手引き」「アテンション・エコノミー」であった。最新の人文科学や自然科学の話題を扱った抽象度の高い論説文や記事が出題されており、高度な語彙力に裏づけされた正確で緻密な読解力を養成することが不可欠である。設問形式は定着しているので、過去問を中心にこのレベルの英文を数多く読みこなし、語彙力の増強に努めることが大切である。一般常識や背景知識の豊かさも大きな武器となるので、日頃から社会情勢や時事問題に関心を持ち、新聞や雑誌の記事を読み慣れておくことが望ましい。

迅速かつ的確な処理と判断が求められる

両学部とも3題合わせて2,500語を超える英文を読むことに加えて、内容一致の選択肢もすべて英語で書かれていることを考えると、何度も読み返すだけの時間的余裕はないだろう。したがって、本文を読みながら同時に空所を埋めていき、段落ごとに内容一致問題を解いていくのが効率的な進め方といえる。空所補充問題には平易なものも含まれているので、素早く判断して時間をかけすぎないこと。配点からいっても内容一致問題の出来が合否を左右すると思われるので、本文の内容と選択肢とを丁寧に読み比べていけるような時間配分にしておく必要がある。

薬学部 英語

2015年度からは記述式の設問がなくなりすべての設問が客観式になっていたが、2019年度からは記述式の設問も出題されている。また、大問Ⅳとして大問Ⅰ~Ⅲの英文に関する内容一致問題が1題出題されている(ただし、実質的には読解総合3題という大問構成といえる)。長文3題のワード数は年度によって差があるものの英文量は多いといえる(2021年度は2,400語程度でやや減少した)。英文の難度が高いうえ、選択肢もすべて英文であることを考えるとかなりの読解力が要求される。設問形式は、同意表現選択、空所補充、指示対象選択、内容説明、内容一致・不一致などが中心である。同意表現選択では、文脈が正確に把握できているかどうかが試されており、設問の対象となっている語句や選択肢にやや難度の高いものも含まれている。内容一致には、「本文に述べられていないもの」や「推論できるもの」といった設問もある。

自然科学系のテーマを扱った英文が多い

過去の出題形式に共通していえるのは、標準以上の読解力と語彙(ごい)力が要求される設問が多いということである。英文量が多く、1,000語を優に超えるものが出題されることもある。英文のテーマは、心理学や医学やテクノロジーに関するものなど、自然科学系の英文が多く出題されているので、日頃から難度の高めなものも織り交ぜ、インターネットなどを利用して英文の新聞や雑誌の記事を数多く読みこなし、語彙力を充実させる必要がある。

過去問で設問形式に習熟する必要がある

出題傾向が変わった2015年度から設問の指示がすべて英文になっているので、設問の形式や出題の狙いなどにも習熟しておく必要がある(特に2019年度から出題されている記述式では設問の指示を理解するのに苦労するものもある)。文の趣旨を選ぶ問題(従来の下線部和訳に相当する)、推測できる内容やタイトルを選ぶ問題などが出題されることもあるので、語彙力の拡充に加えて、英文の内容を整理しながら読み進めていくといった的確な文脈把握力を養成することが必要となる。

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